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Storyこれは,小笠原(JD1)で初のEME500W局の申請をした記録である. まずはじめに,小笠原で144MHz500W局のことを思いついたのは, JAのEMEチャットで,小笠原行くならEME出てということが始まりだった. 2007年のGWに小笠原に行ったときは,ちょうど月のコンディションが最悪で 小型の八木に50Wでは無理だろうと言うことで諦めた. 小笠原で,JD1BLK氏と話しているうちに,じゃあ,やろうか!という 話になったというわけです. 実は,小笠原からのEME運用は初めてではありません. JA1BK,JA1RJUグループが7J1YAMのコールサインで2mで200WでCWでの 交信記録がある. そのときは,Wの局と数局のみ.EUはゼロであった. これは,やるしかない! 議論はあるにせよ,昔とは違い,今ではWSJTでCWより遥かにEMEは簡単な設備でできるように なりEUではかなり流行っているらしいということは聞いていた. WSJTで500W運用すれば,それなりに成果が出るはずだということで, 思いついたのでした. 思いついたのはいいのですが,私はEMEの知識ゼロ!なので,サテライト仲間の JM1WBBさん(JD1BMP)と一緒に申請・運用することになったのでした. 準備2007/07/23 関東総合通信局無線通信部陸上第三課に電話をしました.ここで,
JD1BLYの変更申請をしたい件を伝えます.ここまでは普通ですね.
では,何が違うか?それは...ハイパワー免許の変更申請をする
ということです.言わずと知れた...落成検査を小笠原でする!ということなのです.
それが,どうした?と思うかも知れませんが...小笠原で落成検査する場合は,
検査官に小笠原まで来てもらわなければなりません.(当然)
小笠原へ行く交通手段は,おがさわら丸しかありません.
これは,小笠原1往復で6日間拘束されるという意味なのです.
小笠原在住の人間で無い限り,自分も小笠原に行かなければなりませんし,
検査官も行かなければなりません.
2007/07/27 地図を見ながら九段の第三合同庁舎へ. 10分前くらいに到着,担当者とお話することに. まず,変更申請書類一式を渡す.1kWの変更申請は,JA7YAAでやったことがあるので, 何を出せば良いかは分かっていたので,一通り用意できた. 変更申請書,事項書・工事設計書,系統図,電磁波防護基準の計算書などなど. 今回は,50MHzの1kWとEME,144MHz,430MHzのEMEの申請理由書も添付した. 今回,JD1BLKと共用の第1,第2送信機を含めて変更しようと思ったのですが, JD1BLKが設備共用している人全員を小笠原に集めて検査をしなければいけない と言われたので,JD1BLKの設備とJD1BLYの設備を区別して,第3送信機以降を 変更申請することにしました. 問題の落成検査をいつやるか?です.お正月にやる?か2月にやる?か, お正月はイヤだそうで(^^;;;って当然か. というわけで,2月ということになりました.
打ち合わせの結果,
変更許可が出ればすぐに,試験電波発射届けを提出. その後1回の電話で,周辺の地図の提出を要求されましたが,すなおに提出(;^_^A 2007/8/25 8/23付けの無線局指定変更・変更許可通知書を受け取りました.(JD1BMPは,11/9付け) ちゃんと,50MHzの1kWと144MHzの500Wと書かれています.
これで,小笠原初の144MHz500W局誕生の第一歩となったわけです. 週が開けて,さっそく総通担当者にお電話(笑) 日程が大丈夫か?をお聞きして,試験電波発射届けと検査申込書を提出する. とりあえず,総通内でも話は通っているようで,計画通りいけそうである. インターフェアのチェックについては...半径200m以内に民家が無いものの,一応 チェックしてくれとのことでした. 前回,JD1BLK海さんが検査したときは,ノーチェックでOKだったらしいが. まあ,1件だけなので余裕である(笑) 2007/12/28 乗船券を予約完了. 2008/1/7 極秘にしていた,このプロジェクトを発表! 2008/1/8 総通から電話があり,2月の小笠原での変更検査に来る検査官2名が決まったとの連絡があった. 去年の夏から予約〜していたのだが...やはり心配(笑) これでやっと確定!! 2008/2/2 すべての荷物16箱を梱包完了. 渡航2008/2/12 おがさわら丸にJD1BLYとJD1BMOが乗船.JA1BVAさんがお見送りに来てくれました.TNX. 2008/2/13 1時間遅れで二見港に到着.揺れました. 2008/2/14 JD1BLYが試験電波を発射.1.8MHzから1200MHzまでPWRデータをとります.すべてのバンドで想定通り.あとは,アンテナを全部のバンド建てれば落成となります.まずは,PWRのデータとインターフェアのチェックのデータを総通にFAX.アンテナ建設が終わった段階で落成となるので,明日までにはアンテナ建設が終わると連絡し落成となりました.これで,月曜日の船に乗って2人の検査官とJD1BMPが来ます. 2008/2/16 JD1BMOさんが,帰路に着かれる日.JD1BMOさんをお見送りの後,アンテナ建設を急いで行います.1.8Mから1200MHzまでなんとか16日中にアンテナが完成.一安心です.これであとは検査を待つのみ. 2008/2/19 検査官2人とJD1BMPが乗船.この航海も荒れそう... 変更検査2008/2/19 順調に船も遅れて?到着.検査官の2人に挨拶,JD1BMPとも再開.13時に検査官の宿にお迎えに行き,それから検査に.
合格です 待ちに待った合格!これがゴールではなくて...これがスタートです!古い免許状を返納しJD1BLY,JD1BMPに新しい免許状を手渡しでいただきました. 運用免許をもらい,月の出から運用開始.検査官も立ち会いです.この日は,0Q.実は,アンテナ系のトラブルだったことが翌日判明.20日から,JD1BMPは,EU,NAのEMEパイルを捌いていました. この日から毎日運用,JD1BMPのEMEのQSOは合計119QSOとなりました. JD1BLYもひたすら?運用し,160mで895QSOの46エンティティ,80mは,1,769QSOの63エンティティ,JD1BLYは,トータルで5,584QSOの98エンティティとQSOができました.
終了 出航3日前にEME用の4x11eleを撤収.これが丸一日かけて撤収完了.徐々に撤収し最終日に最後の片付け.運用終了しました.長かった小笠原滞在16日間を終え,JD1BLY,JD1BMPは帰路に付き,3/1に帰宅しました.
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